行政書士開業準備中~英文契約書編14
前回、前々回の続きです。
前回の最後に、同義語反復は英文契約書ならではのものだ、と申し上げました。
そもそも、なぜこんな面倒な書き方をするのか。
これは歴史を紐解く必要がありますが、概略を述べると、ノルマン人の英国征服に遡ります。英国はアングロサクソン族が支配していました。
アングロサクソン族の話す言語は英語、ノルマン人の話す言語は仏語。
という事から、仏語、英語の両方を併記するようになったと言われています。
この歴史的経緯は得意ではないですので、もしご興味のある方は、他の方の詳しいHP、ブログ等で確認される事をお勧めします。
さて下記の契約書で使用されている、
made and enterd intoは 締結された
by and betweenは 両社間において
と訳します。
他には代表的なものとして、
all and every いっさいの、 assign and transfer 権限を与える、
null and void 無効な、terms and conditions 条件、等があります。
もう、山のように沢山あります。。。
さて本題。訳例です。
①This agreement (hereinafter called the "Agreement"), made and entered into 日付を挿入,② by and between 会社名を挿入, a corporation organized and existing under the laws of the State of Delaware, USA, with its principal place of business 住所を挿入, USA (hereinafter called the "Seller") and③ 会社名を挿入, a corporation organized and existing under the laws of Japan, with its principal place of business 住所を挿入 Japan (hereinafter called the "Buyer"),
① は日付が今日だとしたら、
2018年8月20日に締結された契約(以下「本契約」という)
②は、例えば会社をA会社、住所をフィラデルフィア~とすると、
アメリカ合衆国、フィラデルフィア~に本店を有し、デラウエア州の法律に基づき設立され、現存する法人、A会社(以下「売主」という)
③は、例えば会社をB会社、住所を東京都~とすると
日本国、東京都~に本店を有し、日本の法律に基づき設立され、現存する法人、B会社(以下「買主」という)
最期にこの①~③を合わせます
アメリカ合衆国、フィラデルフィア~に本店を有し、デラウエア州の法律に基づき設立され、現存する法人、A会社(以下「売主」という)と、
日本国、東京都~に本店を有し、日本の法律に基づき設立され、現存する法人、B会社(以下「買主」という)との間で、2018年8月20日に締結された契約(以下「本契約」という)
如何ですか。②と③はパラレルです。これが①に係るだけです。
慣れです。慣れてくると、本契約は~と頭から訳す場合が多いですかね。
この後に動詞が続きます。
witnessethです。witnesseth???ですよね。
次回ご説明します。