行政書士開業準備中~和文契約書編13
今日は、業務委託契約について書いてみたいと思います。
フリーランスの方や、営業の方が主な読者と想定しています。
再委託、下請法まで視野に入れて書き、フリーの方に役立つ内容にしたいと思います。
この下請法は、フリーの方にとって強い味方になる法律です。
逆に、普段から契約業務に携わっている方にとっては当然の内容であり、契約業務に馴染みにない方にとっては取っつきにくい内容かもしれません。
この業務委託という言葉ですが、よく耳にしますが法律上に規定はありません。
この法的性質は、請負または委任であり、あるいはその複合の場合もあります。
では、この請負と委任どう違うのでしょうか。
よく例に出るのが、大工さんが家を建てる場合と、お医者さんの治療です。
前者が請負で、後者が委任となります。
請負は仕事を完成させることです。
つまり家を完成させる義務を負います。
委任は、一定の事務を処理する事です。
完成させる事は要求されていません。
熱が出て、喉も痛い、鼻も詰まるから内科に行きました。
そこで、薬を処方されてとします。
仮に、これを請負と捉えると、熱、喉、鼻の症状を治す義務を負う事になるますが、さすがに義務はないですよね。
熱、喉、鼻を治そうとする一定の処理、つまり診療して、(一般的には)それに見合った薬を出す事により症状を治そうとする行為を行います。
因みに、この請負と委任ですが、会社の中ではどう取り扱われるでしょうか。
勿論、法的性質は違います。
大学の講義や、法律の試験では、請負、委任の法的な違い、効力等が重要です。
勿論会社内でも重要ですが、日々実務で重要なのは間違いなくお金が直結する所です。
つまり収入印紙の貼付(ちょうふ)の有無が非常に、非常に重要となってきます。
好きではないですが、ビジネスはお金なんですよね。
請負契約書には収入印紙を貼付しますが、委任契約書には不要です。
じゃ、契約書の題名を委任にすれば収入印紙は不要になるでしょうか。
当然なりません。
契約の中身が重要で、題名に委任と書いてあっても中身が請負なら収入印紙は必要になります。
同様に、契約の中身が委任であれば、題名が請負でも収入印紙は不要ですが、この例はあまり見た事がないです。
ここで問題です。
清掃委託契約は委任でしょうか請負でしょうか。
請負契約です。
清掃は委任と言うイメージがありますが請負なんです。
正直、未だに納得できないですが覚えるしかないですね。
ではさらに収入印紙がらみの雑学の問題を一つ。
英文契約書で、①先ず日本で作成、サインがされて、次にアメリカでサインがされた場合、②反対にアメリカで作成、サインがされて、次に日本でサインがされた場合、違いあるでしょうか。
印紙税法基本通達第49条に規定があります。
①は不要で、②は必要になります。
たまには真面目に書いてみました(笑)
次回、契約の中身について書いていきます。