行政書士開業準備中~生前契約編1
麻薬は毒にも薬にもなります。
モルヒネ等の医療麻薬は、癌などの鎮痛効果として非常に効果があるそうです。
しかし使い方を誤ると、命を失いかねない危険をはらんでいます。
もし成年(法定)後見を一言で言い表すなら、麻薬が適切だと思います。身寄りのない一人暮らしの老人に、成年後見人が付くと、それは非常に力強い味方になります。
とにかく成年被後見人(ここでいう老人)の財産を減らさないように最大限尽力します。
その為に、強力な権限が与えられています。
権限は幾つかありますが、そのうちの一つが取消権という、成年被後見人の財産を守る為の、非常に強い権限があります。
この成年被後見人が一人暮らしなら、問題は出てこないでしょう。
使用法は、一人暮らしの老人を守る事、これが正しいと思います。
ところが、家族の中に認知が進んだ者がおり、周りの不適切なアドバイスにより、成年後見の申請をおこなったとします。
強力な権限を持った成年後見人が、がっちりとその方の財産を管理する事になります。
その行為自体は、合法です。
ただ、家族のライフスタイルは当然それぞれ異なっています。
例えば、お爺さんが息子夫婦が苦しいから、少し家のローンの援助をする。
可愛い孫に、おこずかいを上げたり、色々出費をする事があるでしょう。
本人は納得済みですし、それどころか喜んで行う場合もあるでしょう。
そのような日々が、成年後見人の就任とともに一気に崩れます。
本人の意思とは反して、本人の財産を管理する、これが無料なら、一歩引いて低額なら文句は少ないでしょう。
残念ながら、それなりの報酬が成年後見にいきます。
結局、成年被後見人から家族へというお金の流れが、成年被後見人から弁護士・司法書士へと変わっただけです。
使い方を誤った一例です。
成年後見の闇という書籍は、問題点をあぶりだした名著だと思います。
ところがアマゾンのレビューを見ると、星一つの意見ですが、
孫が爺さんの数千万おろして自動車購入とか、消費者金融の借金を婆さんの通帳からおろして返済とかいう批判がありますが、刑法の問題と成年後見をはき違えています。
更に、身内を任意後見人にしてお金を取られたら返ってこないと書いていますが、このような事を防ぐ為に、任意後見契約に関する法律の4条で、家裁が任意後見監督人を選任します。
任意後見の制度を知らなすぎます。
いい加減にも程があります。
反論書こうと思ったら、Amazonアカウントが無いと書けないみたいです。(-_-;)
宿直が続いて、お酒を飲むとこういう荒れた書き方になってしまいます(-_-;)
解決策の一例ですが、やはり判断ができる内に任意後見契約を結ぶべきでしょう。
これにより、成年後見人が付く事を防ぐことができます。
任意後見契約とは、自分が認知が進んだ時、自分の財産等の管理を、自分が信じる人を選んで託す事です。
つまり、将来において効力を発生させる事に主眼があります。
以下、任意後見を補足する契約の概略です。
では、今現在、十分な判断能力はあるが、体が不自由な場合はどうするか。
財産管理契約を結びます。
判断能力があるが一人暮らしで不安な場合は、どうするか。
見守り契約を結びます。
自分が亡くなったときの財産の分配はどうするか、これは遺言です。
では、身内がおらず、葬儀や銀行のキャッシュカードの解約等の亡くなった後の事務処理はどうするか。
これは、死後の事務処理委任契約です。
これらの契約と任意後見の契約が相まって、尊厳を持った生活を過ごす事ができ、また最期を迎える方の家族の安心が得られる、と強く信じています。
全員とは言いませんが、ある一定数の、成年後見市場に跋扈する、魑魅魍魎の食い物にされる事を、正しい知識を身につけさえれば十分防ぐことができます。
これら、任意後見契約、財産管理契約、見守契約、死後事務委任契約を総称して、ここでは生前契約と言います。