行政書士開業準備中~墓じまい編7
離檀料600万をネットで検索してみたら、あるんですね。
言う方も、本気で払えるとは思っていないでしょうが、金銭感覚が普通とは違うようです。
墓じまいって、単純化すると非常に簡単です。
墓じまいとは、今あるお墓の中のお骨を取り出して、他のお墓等に移す。
どうですか。
簡単ですよね。
要は引っ越しなわけですから、作業は時間がかかっても仕組みは単純です。
この一連の作業工程が、一人行えるのであれば、ここまで大きな問題になっていないはずです。
墓を撤去、処分するのは、石材業者。
墓じまいの行政手続きは本人(行政書士も可です)。
閉眼供養はお坊さん。
お墓の管理者からの証明書も必要です。
お墓の中のお骨の関係者として、親戚一同。
先ほど述べたように、墓じまいは、お引越しのようなものです。
お引越し先を探すのも一苦労。
そんな時に莫大な離檀料。(檀家である事が前提)
確かにしんどいです。
段取りのミスから、菩提寺のお坊さんを怒らせてしまい、莫大な離檀料を請求された場合、どうすれば良いでしょうか。
前回の続きです。
先ず、知っておくべきことは、墓じまいに必要な手続きと、離檀料の話は全く別な事です。
つまり、手続きは、墓地・埋葬法(5、8、14条)、同規則(2条)に記載されているものであり、離檀料は檀家を抜ける際に支払う(と言われている)ものです。
そこを理解している専門家に頼まない限り、前には進みません。
石材業者に頼むのはどうでしょうか。
やはり、現場の方々ですからこの問題には詳しいです。
しかし彼らは、2つの事ができません。(できてもやってはいけない事です)
行政手続きとお坊さんとの交渉です。
前者は行政書士法違反、後者は弁護士法違反です。
尤も前者はともかく、後者は頼まれてもしないはずです。
お坊さんににらまれては、仕事に悪影響がでるのは必至です。
少し脱線です。
個人のブログを批判するのは、あまり好きではありません。
でも書きます。
一部の方は、行政手続きを、行政書士に頼むのは高いから、石材業者に無料でやってもらうか、低額でお願いすることを勧めています。
(無資格者がお金を貰っての行政手続き代行は、明確な行政書士法違反です。無料でも繰り返すのであれば、限りなくブラックに近いグレーです。)
そのブログの中で、大手の石材店を勧めています。
そこをクリックするとその石材店のHPに行きつきます。
何の事はない、単なるアフィリエイトです。
勿論アフィリエイトを批判するわけではないです。
行政書士を批判して、石材業者のHPに誘導するやり方を批判しているのです。
さて、その石材店、当初は行政書士の報酬を批判しつつ、望む方には低額で行政書士を紹介すると言い、直近では行政書士としっかり連携しながら墓じまいを勧めていくと書いています。
お笑い草です。
では弁護士はどうでしょう。
お金に目を瞑るのであれば、妥当だと思います。
お坊さんも弁護士が来たらそれなりの対応をします。
ただ一つデメリットを上げると、弁護士はどこまで墓じまいを知っているのだろうか。
という事です。
訴訟をやる気満々となったら、ちょっと違うわけです。
解決には近づくでしょうが、問題は報酬です。
仮に離檀料の600万を交渉で50万に下げたら、550万勝ち取ったという事で、それを基準に報酬が決まるのでしょうか。
非常に興味があります。
交渉ができないという事を除けば、行政書士が前面に出る事は、悪くない選択だと思います。
問題は、その行政書士が墓じまいに精通し、お坊さんの泣き所をきっちり把握して、手続き完了にもっていけるかどうか。
いわゆる急所です。
お坊さんに対し、「総本山から離檀料を受け取らないように指導されていないのですか。総本山は御存じなんですか。」
行政書士が、高額な離檀料に対して上記のように返せるかどうかです。
もっとも王道は、行政書士なんですから、お坊さんと交渉などせず(できないのですが)行政を相手に処理を進めていく、つまり行政指導を求める方が適切かと思います。
以前にも述べましたが、墓じまいはご先祖様を見守って下さっている事に対して感謝からスタートし、それから相談に持っていくことです。
いきなり墓じまいしますは、自爆テロのようなものです。