行政書士開業準備中~相続編10

前回の続きです。

川崎四朗が、行政書士の山本先生の事務所に相談に行っています。

今の奥さん(由紀子)とは再婚です。

そして娘(亜紀子)が一人います。

奥さんと以前の夫との間に男の子が一人います。

 

 

 

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「山本先生幾つか教えてほしいことがあります」

「私で答えられる事なら何でもどうぞ」

年の頃は30後半から40前半、息子がいたら同じくらいの年齢だろう。

何故かこの先生とはうまが合う。

コミュニティセンターで度々会うのだが、先生らしくない、気取らないところが良いのだろう。

 

「まず離婚した場合、相続関係は切れるという理解でよろしいでしょうか、つまり妻と以前の夫という事です」

「それは奥さんが亡くなった場合、奥さんと以前の夫という意味ですよね。それですと仰る通りです。切れます」

「ありがとうございます。では、妻と、以前の夫との間にできたお子さんとはどうでしょうか」

「その場合は相続関係は残ります」

 

「今私たちが住んでいる土地と建物の名義は私になっています」

「はい」

「私が亡くなると、その土地と建物は妻と娘にいくという理解でよろしいでしょうか」

「まず、戸籍を見ていないので何とも言えませんが、一般論で申し上げますと、仰る通り奥様とお嬢様のものになります」

「つまり、妻が二分の一、娘が二分の一ずつ相続というわけですか」

「そうですね、遺言書や遺産分割協議で変更がない場合はそうなりますが、登記が絡むのであれば司法書士の先生にご相談されることをお勧めします」

 

確かに登記が絡むのであれば、司法書士の先生だろうが今回の主眼はそこではない。

自分の財産の行方を知る事が主な目的だ。

「分かりました。では次ですが、私の次に妻が亡くなった場合、妻の遺産は娘と、以前の夫との間にできたお子さんにいってしまいますか」

「はい。先程申し上げました通り、奥さんと以前の夫との間にできたお子さんとの相続関係は切れていません」

「なるほど、妻の二分の一が、亜紀子と以前の夫との間にできた子にいくわけですね。子供達の相続の割合は平等と考えます。つまり1対1です。そうすると妻の二分の一の分が流れると考えて、亜紀子と以前の夫の子にそれぞれ四分の一ずついくわけですね」

「仰る通りです」

「最終的には亜紀子が四分の三、以前の夫の子が四分の一の割合で、私が立てた家を相続するわけですね」

「そうですね、詳しくは司法書士の先生にお聞きすることをお勧めします。一般論で言えばそういう考えになります」

それだけは避けなければならない。

「先生、遺言の作成依頼をお願いします」

「そういうご事情なんですね。承知しました。お嬢さんと以前の夫との間のお子さんとの共有状態は避けるというご主旨でお間違いはないですか」

「その通りです。よろしくお願いします」