後見制度は慎重に⑦

 

空より星の降るごとく

空より星の降るごとく

 

 私が大ファンの楓屋 (id:kaedeya)さんの著書です。

今日届きました。

じっくり拝読します。

 

7回目です。

前回はこちらです。

 

www.akihiroha.com

 

「そう仰られても中々思い浮かばないんですよ。やっぱり遺言を書いたほうが良いということですか」

「勿論それも大事です。遺言は自分が亡くなった後、残された者が揉めないようにするという所に主眼があります。よく相続の事を争続と言ったりしますよね」

「争うという字の争続は聞いたことがあります」

「これは先程申し上げた②自分が亡くなった後の姿でしょう。ただ老後では自分の身体がいう事を効かなくなったり判断能力が劣るような事が想像できます。これに対応する制度としては財産管理等の委任契約、任意後見といった制度があります。こちらが先ほどの①自分の老後についてです」

「すみません。ちょっと分かりにくいんですが。もうちょっと優しく」

「ですよね。まず財産管理等の委任契約は本人の代わりに銀行からお金を引き出したり、病院や介護施設の入所の手続きをします。本人は判断する能力あって物事をしっかり理解できるのですが病気やけがで動けなくなった場合に対応する制度です」

「それって家族では駄目なのですか」

わざわざ契約を結ぶ必要はないと思ったので聞いてみた。

「勿論ちょっとした買い物なんていうのは家族で十分だと思います。ただ金融機関は本人でないと預金を下ろす事は認めないでしょう。勿論キャッシュカードを預かっていれば別ですよ。そうでない場合はやはり本人からの委任状が必要になりますがお金を下ろすたびに委任状を作るというのも現実的ではないです」

「成程。そう言われるとそうですね」

「それだけではなくて契約書を作っていない場合、他の兄弟、はっきり言えば相続人です。親の財産を食い物にしているのではないかと勘繰る場合もあります。親子といえどもお金がからむ事ですのでしっかり契約を結んで対応する事がよろしいかと思います」
「成程、そういう見方もできるわけですね」

この辺りは非常にデリケートな問題だ。
できれば兄弟で争いたくはないがお金が絡むと別だ。