後見制度は慎重に⑨
昨日、今日と連続で相談を受けました。
登記が絡む箇所ですので司法書士の先生を紹介して私でもできる契約書の作成をしました。
私のような怠け人間には紹介の仕事というのはありがたいです。
前回はこちらです
「ところで先生の大好物なお墓はどうなんですか」
急に箸を持った手をあげて田吾爺が質問してきた。
手をあげた拍子に箸についた醤油がテーブルに飛び散った。
勘弁してほしい。
できれば逆の手で挙げるかそもそも手をあげる必要はないと思うが指摘するのは場の雰囲気を壊しそうなので黙って拭くことにした。
田吾爺の言う大好物というのは大好きという意味なのだろうが、それについてあえて訂正する必要はないだろう。
「馬鹿だね田吾さん。お墓を食べられないよ」
すると美佐婆がすかさず訂正した。
田吾爺は特に反論しない。
人間ができているのだろうがこの程度で反論するのであれば先程のパンチで怒っていたはずだ。
もしかして惚れているのかもしれないがつっこむのは野暮というものだ。
これは姉さん女房誕生か。
しかし八十三歳と八十歳の恋。
温かく成り行きを見守りたいと思うが残された時間を考えると別の心配も頭をよぎる。
田吾爺頑張れ。
「大好物かどうかはともかく終活の側面からお墓をみたらやはり墓じまいでしょう。勿論自分が入るお墓を選ぶ場合もあります。これらは②の自分の亡くなった後の姿にあたるでしょう」
「そういえば先生には色々お世話になりましたね。お陰様で無事夫の実家と私の実家のはかじまいも済みました」
そうなのだ。
墓じまいがきっかけで先生と知り合うようになったのだった。
「いえいえ僕もまだ勉強中の身です。お墓は奥が深いですから」
そう答えると先生はまさかの七杯目ソルティドッグを注文した。
「今は終活を支える制度の面からご説明しましたが、夫婦の形態や子供がいるかどうかで何を重視するべきかは変わってきます。この辺りはわかりづらい側面もあります。詳しいことにつきましては当事務所の有料相談を是非ご予約いただけると幸いに存じます」
「先生商売上手やな」
「これは一回事務所に行かないと」
「最後にまとめてみましょうか」
「お願いします」
おっ、なぜか皆の息があった。
要は理解しきれていないのだろう。
そもそもお酒がまわったオツムで理解しろというのが無理な話だ。
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